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#04
WBC決勝を
観戦して知った
本場の認知度

 私は、アメリカ対プエルトリコのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝を観戦する機会に恵まれた。しかし、母国が初の世界一を懸けた大一番だというのに、アメリカ人の関心は極めて低かった。
 ドジャー・スタジアムに向かうタクシーで運転手が話しかけてくる。
 「まだシーズン前だろ。あそこで何かやっているのか?」
 「WBCの決勝だよ。アメリカが優勝するかもしれないよ」
 「ああ。そんな大会をやっていたな」
 4年に1度とはいえ、4回目を迎える最もメジャーな国際大会。しかも、予選から準決勝、決勝とメイン会場がアメリカにも関わらず、ドジャー・スタジアムでは申しわけ程度にしかWBCの装飾がなされておらず、グッズショップでは代表チームよりドジャースの商品が多く陳列されているように、スタジアムも「WBC一色」ではなかった。地元ではこの程度の認知度しかないのだ。日本では大盛況で関心度も高いだけにギャップを感じるだろうが、それが現実としてあるわけだ。
 じつにもったいない。
 ドジャースというチームが愛されているから、人々はドジャー・スタジアムで試合を観戦することをライフスタイルとしている。ベースボールがアメリカの「文化」ならば、ボールパークも、競技、国、大会を問わず、そこに訪れるすべての人をリスペクトし、盛り上げることを考えなければいけない。

>> see you next week!

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 記憶に残る初めてのドジャー・スタジアム
#02 チームの歴史がボールパークを成り立たせる
#03 ボールパークに足を運ぶという日常がある
#04 WBC決勝を観戦して知った本場の認知度
 

Data

使用チーム ロサンゼルス・ドジャース
所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州
収容人数 56,000人
竣工 1962年
工費 2,300万ドル

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