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#05
スタジアムと
スポーツが
街をひとつにする
オーストラリア人は皆、ラグビーをリスペクトしている。そして、自分ができうるパフォーマンスでもって、選手を応援する。それは彼らにとってごく当たり前のことだ。
だからこそ、その場所にコミュニティが生まれる。パブでの交流然り、アリアンツ・スタジアムにだってそれが存在する。
これは富裕層限定にはなってしまうのだが、スタジアムの会員になると年間を通してどの試合でも観戦できるという。彼らが集うホスピタリティルームでは、試合前も試合中もそこでパイやチップス(ポテトフライ)を食べながらビールを飲み、楽しく観戦できる仕組みとなっていて、スタジアム内のプールなど施設も利用できるそうだ。年会費は100万円ほどするから決して安い買い物ではない。それでも、毎年定員がオーバーするほどの応募があるのだという。オーストラリア人にとってラグビーとは、それだけの価値があるスポーツなのだ。
スタジアムとスポーツが街をひとつにする。
試合があれば、彼らはパブやスタジアムに足を運び、ビールとパイを注文する。そして、応援するチームのプレーに一喜一憂する。
「Go for it!」「Go for it!!」
選手のために声を枯らし、時に罵る。あらゆる感情が、フィールド外でもぶつかり合う。
試合に夢中になり過ぎて、手元のビール瓶が空になっていることに気づく。
「まだ、飲み足りないぞ!」
それがオーストラリアの、ごくありふれた日常なのである。
photo:Jun Ikeda
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Data
使用チーム | オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニー |
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所在地 | ワラタス(スーパーラグビー)、シドニールースターズ/ウェスツ・タイガーズ(NRL)、シドニーFC(Aリーグ) |
収容人数 | 45,500人 |
竣工 | 1988年 |
工費 | 6,800万オーストラリアドル |