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#04
観戦の興奮は
時代を超えて
その人の記憶に残る

 そこにスポーツがあり、競技が文化となっていれば、試合を詳細に把握せずとも熱くなれるものだ。
 私自身、今になってオーストラリアンラグビーの主流が13人制であることを知るなど、事細かくルールを理解しているわけではないし、選手の名前だって全員を認知しているわけでもない。
 それでも、サンコープ・スタジアムでステート・オブ・オリジンを観戦した私は興奮した。これだけは間違いないし、観衆にそう思わせることこそスポーツの重要な存在意義なのだと思っている。その興奮は、時代を超え、その人の記憶に色濃く残るものなのだ。
 帰国後、オーストラリアに住んでいた20代に、オージーの友人にプレゼントされたクイーンズランドの帽子と、今年、新たに購入したそれを並べてみると、つい笑みがこぼれる。
 「エンジとも紫ともわからない色。デザインも変わってない。相変わらず、ダサいなぁ」

> see you next week!

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 現地を訪れた時に沸き起こった20数年前の憧憬
#02 身に染みて分かったオーストラリアンラグビーの醍醐味
#03 日本に必要なのは「スポーツ観戦」への意識改革
#04 観戦の興奮は時代を超えてその人の記憶に残る

Data

使用チーム ブリスベン・ブロンコス (NRL)、ブリスベン・ロアー (Aリーグ)、クイーンズランド・レッズ (スーパーラグビー) 
所在地 オーストラリア連邦クイーンズ州ブリスベン
収容人数 52,500人
竣工 1914年(2003年改修)
工費 2億8千万オーストラリアドル (2003年改修時)

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