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#03
名物のフードは
ボールパークの魅力を
創る大きな要素

 私たちが向かった先は、新北市にある新莊棒球場(2014年当時)だった。
 主に中信兄弟が主催試合を行うスタジアムで、オープンコンコースにはショップが並ぶ。屋台というよりは、簡素な出店と表現したほうがいいだろうか。そこには当然、中信兄弟のユニフォームなども販売されているのだが、私が最も興味をそそられたのがフードだった。
 「大腸包小腸」。直訳すると「大腸に小腸を包む」という、あまり想像したくないようなネーミングだが、これがじつにうまい。
 簡潔に言えば「台湾版ホットドッグ」。もち米を入れた腸詰がパン代わりとなっており、そこに切れ目を入れてキュウリや玉ねぎ、イノシシの腸詰などを挟んだ、台湾のB級グルメでありソウルフードだそうだ。味は濃いが非常に食べ応えがあり、ハマる人はハマる。
 「ホットドッグは万国共通、ボールパークの名物であり、どこでもその土地ならではの微差があってうまい」
 これが、率直な感想だった。聞けば、日本で食べられる場所はほとんどないという。そんなことも知らずに、台湾名物を食べられたのは幸運だった。
 ボールパークの魅力を語る上で、フードも大きな要素となる。だから私にとって、このスタジアムの第一印象はよかった。客席に足を運んでも、正直、そこまで悪いイメージを持たなかったが、やはり日本やアメリカのそれを比べると、質はそこまで高くはない。

>> to be continued

  photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 セリーグの球団社長のみなさんを案内した台湾ツアー
#02 台湾のプロ野球に付きまとうイメージと現実
#03 名物のフードはボールパークの魅力をつくる大きな要素
#04 台湾野球のレベルの高さにスタジアムの可能性を感じた

Data

使用チーム 富邦ガーディアンズ
所在地 中華民国台湾新北市新荘区
収容人数 12,300人
竣工 1997年
工費

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