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#04
見世物ではなく、
エンターテインメント
として成り立つ場所

 「ファンに見られているのに、選手たちがストレスを感じているように思えない」
 動線と施設のほどよい距離感。自然体でトレーニングできている選手たち……、各地から大勢の人間がこの地に集まるが、彼らの姿が単なる「見世物」ではなく、エンターテインメントとして成り立っていることを、メジャーリーグのスプリング・トレーニングを見ているだけでも認知できる。
 視察の目的はベイスターズの施設の進化。「メジャーのコンパクト版を実現させたい」とイメージを膨らませ、アリゾナのスタジアムを見て回ったが、正直、こう思った。
 「日本では難しいかもしれない。この規模だからこそ、ボールパークとしてのエンターテインメントを実現できているんだな」
 そして、同時にこうも確信した。
 「ホームスタジアムだけがボールパークじゃないんだ。そこに野球があって、みんなが楽しめる場所。それこそが、ボールパークだ」
 そのことを再確認できただけでも、アメリカのスプリング・トレーニングを視察した価値はあった。

>> see you next week!

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 度肝を抜かれたメジャーリーグのスケール感
#02 トレーニングを2球団で共有する合理的な理由
#03 球団のサービス精神が感じられる多彩なラインナップ
#04 見世物ではなく、エンターテインメントとして成り立つ場所
 

Data

使用チーム スプリングトレーニング(クリーブランド・インディアンズ、シンシナティ・レッズ)
所在地 アメリカ合衆国アリゾナ州
収容人数 10,311人
竣工 2009年
工費 約1億ドル

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