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#02
トレーニングを
2球団で共有する
合理的な理由

 アリゾナのスプリング・トレーニングを視察する際に、「最近2球団で共有しているところが多くなっているんです」と聞き、あまりイメージがわかなかったが、行ってみるとその意味がよくわかった。考えようによっては対戦相手がいつもいるわけで、至極合理的なように感じた。
 メインスタジアムは一塁側にホワイトソックス、三塁側がドジャースと2球団でシェアしている。ライト側とレフト側の敷地には、それぞれの球団事務所とオフィシャルグッズショップがシンメトリーに建築されている。それはさながら、両球団で所有するボールパークのようだ。
 サブグラウンドも各7面ほど設けてある。ここで、ユニークだと感じたのは、日本でいう「やぐら」のような建物が各所に設置されていたことだ。野手や投手が分かれて練習していることもあり、監督やコーチなどがそこでトレーニングを観察しているわけだ。これも、アメリカならでは、と言えるだろう。
 楽しみは野球だけではない。
 例えばフード。ドジャースで言えば、フェニックスであってもドジャードッグを堪能できる。「名物」をほおばりながら見学のプランを立てるのも、観光の醍醐味である。
 「次はどの球団を視察しようか?」 
 そういった期待感は私にもあった。

>> to be continued

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 度肝を抜かれたメジャーリーグのスケール感
#02 トレーニングを2球団で共有する合理的な理由
#03 球団のサービス精神が感じられる多彩なラインナップ
#04 見世物ではなく、エンターテインメントとして成り立つ場所
 

Data

使用チーム スプリングトレーニング(ロサンゼルス・ドジャース、シカゴ・ホワイトソックス)
所在地 アメリカ合衆国アリゾナ州
収容人数 13,000人
竣工 2009年
工費 約1.2億ドル

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