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#04
人々の生活と
同じように装いを
変えていくスタジアム

 スタンドには海原を思わせるブルーのシートが広がる。バックネット裏は熱狂的なファンの銅像も建てられ、この国の野球への盛況、スポーツへのリスペクトが感じられた。
 フィールドの芝生は、丁寧に、美しく手入れされているわけではなく、グラウンドの環境自体はいいとは言えない。それでも、約5万人を収容できるこのスタジアムには、ベースボールのシーズンに入ると大勢のファンが詰めかける。
 近年ではスコアボードが電光掲示板となったそうだ。キューバを代表するスタジアムは、人々の生活と同じように少しずつ装いを変えていくのだろう。
 エスタディオ・ラティーノ・アメリカーノをあとにする。キューバのスポーツ庁ではベースボール・アワードのような式典が開かれ、グリエル選手も数々の賞を受賞していた。その後に正式に契約を結び、夜は関係者たちと打ち上げを行った。レストランで食事を終え、ナイトクラブでキューバ音楽をつまみにラムを飲む。
 キューバの旅に、私は満足していた。

> see you next week!

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 キューバ音楽に興味を持った大学生の頃
#02 憧憬に駆られながら街を駆け抜けたキューバの地
#03 キューバの海のような透き通った青が私の視覚を癒す
#04 人々の生活と同じように装いを変えていくスタジアム

Data

使用チーム レオネス・デ・インダストリアレス(CNS)
所在地 キューバ共和国ハバナ
収容人数 55,000人
竣工 1946年
工費 約200万ドル

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