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#03
野球そのものが
奏でる生の音を
楽しむ

 ゲートはやや大げさな様式ではあるが、フィールドは3Aらしく奇をてらわず、昔ながらの「アメリカらしいボールパーク」が表現されている。
 バッターがボールを打つ乾いた打球音。ピッチャーがボールを受けた際、球がのめり込み、キャッチャーミットの弾ける音。野球そのものが奏でる生の音に、オルガンの音が絶妙に融合する。「これぞ3A!」。そう感じずにはいられない。
 内野スタンドはなだらかな傾斜となっていて、試合が観やすい構造はさすがだ。バックネット上部のテーブル席では、ビールを飲みながらゆったり観戦できるよう配慮され、さらにその上の個室にはスイートルームも完備されている。この部屋で試合を観戦するファンは、思いおもいに空間をアレンジできるという仕組みがうれしい。
 外野席に目を移せば、レフトスタンドは一面芝生となっており、寝ころびながらのんびりと試合を満喫できる。ライトスタンドには「マイナーリーグ最大級」と言われる巨大スコアボードが設置。スタンド上段にはテラス席も用意され、設備も申し分ない。

>> to be continued

  photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 メンフィスのダウンタウンにあるボールパーク
#02 正面ゲートの武骨な造りに圧倒される
#03 野球そのものが奏でる生の音を楽しむ
#04 地元密着と球団の遊び心が醸し出す雰囲気
 

Data

使用チーム  メンフィス・レッドバーズ
所在地  アメリカ合衆国テネシー州メンフィス
収容人数  14,320人
竣工  1998年
工費  8,050万ドル

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