update
#03
音源を記録することは、
そこが“音楽の聖地”
である証だ
スポーツをする場所でしか得られない音がある。ハマスタであれば、屋外ながらもそそり立つスタンドに歓声や鳴り物の生音がぶつかり合って上空に抜けるような、あの感覚。ビートルズやビリー・ジョエルが、ニューヨーク・メッツの以前の本拠地、シェイ・スタジアムでのライブレコードを世に送り出したように、ミュージシャンたちがアリーナやスタジアムの音源を記録に収めるのは、一種のステータスであり、そこが“音楽の聖地”だという証でもあるのだろうと思った。
じつは、ベイスターズではこのときすでに、似たような試みを行っていた。
ベイスターズの社長に就任してから、「ハマスタでスポーツと音楽を融合させたい」と感じていた私は、2013年に作詞家の森雪之丞さん、日本のロックシーンを代表するミュージシャンである布袋寅泰さんに協力してもらい、新応援歌『勇者の遺伝子』を完成させた。その曲を特別盤としてLPレコードでも発売した背景には、私が学生時代から聞き続けている、ブルース・スプリングスティーンをはじめとする偉大なミュージシャンたちへのリスペクト。そして振り返れば、私自身が掲げる目標の決意表明だったように思う。
さらに、翌14年に発売した球団ドキュメンタリー『ダグアウトの向こう -今を生きるということ。』の主題歌を、シンガーソングライターの高橋優さんに依頼し、ベイスターズのオリジナルソング『未だ見ぬ星座』を生んでいただいたことにもつながっている。
photo:Jun Ikeda
⚾This week’s articles
|
Data
使用チーム | フェニックス・サンズ |
---|---|
所在地 | アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス |
収容人数 | 18,422人 |
竣工 | 1992年 |
工費 | 6,700万ドル、9,000万ドル (2001-04 改修時) |