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#02
この場所にいた
ものにしか得られない
一体感と興奮

 トーキング・スティック・リゾート・アリーナは、1992年、フェニックスのダウンタウン中心部にUSエアウェイズセンターとして誕生した、アメリカでもそれなりに歴史のあるアリーナである。NBAのフェニックス・サンズ、女子バスケットボールWNBAのフェニックス・マーキュリー、アリーナ・フットボールのアリゾナ・ラトラーズの本拠地としても知られ、その他、アイスショーや格闘技など様々なスポーツイベントが開催される名所だ。当然のように大物ミュージシャンも数多くライブを開催している。魅力的なアリーナだということは、“アメリカの魂”であるブルース・スプリングスティーンがステージに立つだけでも、充分に理解できるはずである。
 残念ながらシーズンオフだったためバスケットボールの試合は観戦できなかったが、「スポーツと音楽の融合」がアリーナに共存しているのだと肌で感じられる。
 1万8422人が収容できる観客席(88席がラグジュアリースイート)。2004年の改修工事で新たなサウンドシステムが導入されたこともあって音もいい。なおかつ、会場が室内だから心地よくその身に吸収される。BOSSを囲むようにして鳴り響くオーディエンスの大合唱。アイズレー・ブラザーズの『シャウト』の掛け声は、この場所にいたものにしか得られない一体感と興奮があった。
 なるほど、もし、これがNBAのゲームならば、同じようにファンの声援、DJのパフォーマンスや音楽もきっと、アリーナ全体を包み込むようにいい音が反響し合うのだろう。

> to be continued

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 巨大なカラオケボックスのように重なり合う音
#02 この場所にいたものにしか得られない一体感と興奮
#03 音源を記録することは、そこが“音楽の聖地”である証だ
#04 いつしかハマスタとリンクしていたBOSSの歌声

Data

使用チーム フェニックス・サンズ 
所在地 アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス
収容人数 18,422人
竣工 1992年
工費 6,700万ドル、9,000万ドル (2001-04 改修時)

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