カウフマン・スタジアムは「アメリカで最も美しいボールパーク」のひとつに挙げられる。
　左右対称のフィールドに青々と生い茂る天然芝は手入れが行き届き、きめ細かい。その美しいフィールドを見守るようにそびえる巨大なスコアボード。これこそが、カウフマン・スタジアムが誇る唯一無二の名物である。
　縦長の巨大スクリーンの頂点には、球団名を表現した王冠が設えてあり、「ココを見てください」と言わんばかりの圧倒的な存在感を誇示している。もちろん、私もこの巨大スクリーンに魅了されたひとりである。
 「カウフマン・スタジアムのような象徴的なビジョンを、横浜スタジアムにも作りたい」
　横浜DeNAベイスターズ時代に視察に訪れた際、真っ先にそう思ったものだが、実現できなかったことが心残りだった。裏を返せば、これほどまでの巨大スクリーンを築き上げたただけではなく、そこに王冠を載せてしまった遊び心とロイヤルズの信念には敬意を表したい。

>> to be continued

photo：Jun Ikeda