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#02
巨大な
ショッピングセンター
を思わせる佇まい

 メッツ・ウィレッツ・ポイント駅を降りれば、まず、球団の名物「ホームラン・アップル」のオブジェが来場者の目を引く。初めて訪れた者の多くは、ホームラン・アップルとシティ・フィールドを背に記念撮影とするのがお決まりだという。これは、球場内にも設置されており、メッツの選手にホームランが出れば地上に浮き上がる仕組みは、2008年までのホームスタジアムだったシャイ・スタジアムと変わらない。
 そして、いい意味で違和感を覚えたのが外観である。まるで「巨大なショッピングセンターか」と思わせるような瀟洒な佇まい。正面ゲートを通れば、周囲はエントランスのように開けており、エスカレーターを上ってフィールドに向かう設計となっている。従来のボールパークとは一線を画した、斬新なアイデアに驚かされたものだ。
 シティ・フィールドに訪れて感じたのは、「ベースボールを観戦しなくても、満喫できる場所」だということだ。
 正面ゲートからエスカレーターを上がり、ライト方向へとコンコースを歩いていく。その間に、球団マスコットの「Mr.メット」が広告に起用された看板が掲示されたり、ヘルメット型のごみ箱が点在するなど、ファンを楽しませてくれる要素が点在する。ちなみに、横浜スタジアムのごみ箱も、シティ・フィールドの知恵を拝借した。

>> to be continued

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 初心者に最適なボールパーク
#02 巨大なショッピングセンターを思わせる佇まい
#03 ベースボール観戦とテーマパークの境界線
#04 ボールパークでありテーマパークという演出

Data

使用チーム ニューヨーク・メッツ 
所在地 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク・クイーンズ
収容人数 45,000人
竣工  2009年
工費 6億1,000万ドル

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