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#04
ボールパークであり
テーマパーク
という演出

 そして、試合が始まれば、様々な音楽で選手を盛り上げ、ファンを楽しませてくれる。「アメリカの球場は、野球の生の音だけを流していれば十分だ」と聞いたことがあるが、シティ・フィールドはそのような既成概念にとらわれない。大事なのは「ここで、誰に楽しんでもらえるか?」。このボールパークは、それを理解している。
 私が横浜DeNAベイスターズの球団社長となり、最初の視察でシティ・フィールドを訪れたのだが、今でもそれは正解だったと感じている。
 ここは、「ボールパークとは?」という固定観念を取り払ってくれた。
 「こういうボールパークの在り方があってもいいんだ。ここの楽しませ方を目指そう」
 「野球に馴染みに薄い人をもっともっとハマスタに呼ばなくてはならない。そのためには、荘厳じゃなくていいんだ。野球の音、を楽しむ玄人向けのスタジアムでなくていいんだ」
 「野球を、スポーツエンターテイメントにしなくてはならない」
 と教えてもらったことは、その後、横浜スタジアムの改革に大いに役立った。
 ボールパークでありテーマパーク。シティ・フィールドの演出こそ、本来のベースボール観戦の在り方なのである。

>> see you next week !

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 初心者に最適なボールパーク
#02 巨大なショッピングセンターを思わせる佇まい
#03 ベースボール観戦とテーマパークの境界線
#04 ボールパークでありテーマパークという演出
 

Data

使用チーム ニューヨーク・メッツ 
所在地 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク・クイーンズ
収容人数 45,000人
竣工  2009年
工費 6億1,000万ドル

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