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#02
スタジアムと
見事に融合した
企業広告

 あまり期待はできない――これが正直な想いだった。だがその考えは、ベスページ・ボールパークを視察して一変した。
 瀟洒な佇まいの入り口を抜け、フィールドに足を踏み入れれば、このボールパークが地元に愛されているのだとはっきりとわかる。
 日本語で「アヒル」を意味するダックス。そのチーム名さながら、ファンたちはアヒルの鳴き声を模した笛を吹き続ける。ブー、ブー! ここの名物だそうだ。
 フィールドを見渡せば、外野にはフェンスからスタンドまで企業広告がきれいに並べられ、スタジアムのデザインとして見事に融合している。約6,000人を収容できるスタンドは外野のポール付近まで埋め尽くされており、傾斜もアメリカのスタジアムならではの“なだらかさ”。そして、防護ネットは限りなく低く狭く、フィールドとの一体感がうまれる。
 「ハマスタ(横浜スタジアム)も、安全面さえクリアできれば、観客ももっともっと野球観戦が馴染めば、横浜に野球を観る癖がもっともっと世代を超えて根付けば、このくらい低く狭くしてもいいのかもしれないな」と、参考にさせてもらったほどだ。

>> to be continued

 photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 忘れることができないボールパーク
#02 スタジアムと見事に融合した企業広告
#03 確立された奇をてらわないファンサービス
#04 ベースボールを通じて地域とのコミュニティを育む
 

Data

使用チーム  ロングアイランド・ダックス
所在地  アメリカ合衆国ニューヨーク州
収容人数  6,002人
竣工  2000年
工費  —

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