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#04
最新設備に
濃縮された
アイデアとデザイン

 ペトコ・パークは、紹介した以外の設備も抜かりなく網羅されている。ガラス張りのボックスシート、照明塔の中にはVIPルームが設えてある。バックネット裏の最前列にはシートではなく防護ネットにドリンクホルダーが設置されており、エキサイトシートも窮屈な感覚は全くない。
 選手が怪我をすることなく悠々とファウルボールを捕球できるように配慮されているし、スタンド全体の傾斜もなだらかで、どの場所からも試合が観やすいようデザインされている。
 「今、ボールパークを建設するとすれば、こうするよね」。そんなアイデアが凝縮されているのが、ペトコ・パークである。
 余談になるが、球場名は「ペトコ」というアメリカのペットショップがネーミングライツを取得したことで命名された。
 本音を言えば「ボールパークにペットショップ?」と違和感を覚えなくもないが、このボールパークがサンディエゴという街の特性を生かし、うまくデザインされているからか、「ペトコ・パーク」という呼称の響きも自然と耳に馴染んできてしまう。
 海と緑。オシャレで自由な街を体現したボールパーク。歴史は浅いが、ペトコ・パークは今後、サンディエゴとの絆を着実に深めていくような気がしてならない。

>> see you next week !

    photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 市街地にある洗練されたボールパーク
#02 サンディエゴで愛される市民のパーク
#03 来るものすべてを満足させるボールパークの理想型
#04 最新設備に濃縮されたアイディアとデザイン
 

Data

使用チーム MLBサンディエゴ・パドレス 
所在地  アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ
収容人数  42,445人
竣工  2004年
工費  4億4,940万ドル

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