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#03
さすがアメリカ、
そう評価せざる
を得ないほどの演出

 私が訪れた日は、クリッパーズの試合が行われていたのだが、驚かされたのは数々の演出である。
 最初に目にとまったのがアリーナの中央に吊り下げられた円筒形の巨大ビジョンだ。アメリカのスポーツではお馴染みの、選手たちの詳細なスタッツが360度に表示される。プレーごとに画が様変わりし、さらに上部に設置された最新のスピーカーからは、重低音のサウンドやDJのパフォーマンスが響き渡る。
 炎が立ち上がり、コートからレーザー光線が放たれるハーフタイム。さらには、ドーム球場よりも狭い屋内で、花火をこれでもかと言わんばかりに打ち上げる。さすがアメリカ――そう評価せざるを得ないほどだった。
 私はBリーグの試合も観に行くが、さすがにこれだけスケールの大きい演出を観たことがない。それは日本のスポーツイベント全般に言えることだろう。
 だからこそ、横浜DeNAベイスターズの社長を務めていた頃の私は、それをハマスタ(横浜スタジアム)で実現させたいがために、様々な場所に視察に行っていたわけだ。
 「じっくりと競技を観戦したい」と思う日本人からすれば、これらの演出は馴染みが薄いのかもしれない。ただ、それを差し引いても、ちゃんとスポーツを楽しむ土壌が、ステイプルズ・センターにはある。

> to be continued

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 大都市の喧騒にまぎれながら探したステイプルズ・センター
#02 ロサンゼルスにおけるスポーツのランドマーク
#03 さすがアメリカ、そう評価せざるを得ないほどの演出
#04 スポーツの違いこそあれど学び多きアリーナのおもてなし

Data

使用チーム ロサンゼルス・レイカーズ(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズ(NBA)、ロサンゼルス・スパークス(WNBA)、ロサンゼルス・キングス(NHL)
所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
収容人数 18,345人(バスケットボール)、18,118人(アイスホッケー)、20,000人(コンサート)
竣工 1999年
工費 3億7,500万ドル

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