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#02
ミュンヘンの
老舗醸造所による
お気に入りのビール

 「ドイツ人ってやっぱり、みんな普通に昼間からビールを飲む国民性なのかな?」
 勝手にそんなイメージを持っていた私は、少し遅めのブレックファーストで訪れたカフェで、当たり前のようにビールを注文する。すると、現地の人が目を丸くしながら言った。
 「おいおい、こんな時間からビールか?」
 「いや。休日は飲むけど、さすがに昼前から飲むことはないよ」
 やはり、ドイツも日本も、基本的に平日の昼間からお酒は飲まないらしい。
 ともあれ、私はビールを飲み尽くした。
 もともとはチェコが発祥だが、ドイツ風にアレンジを重ねられ、もはやオリジナルと表現してもいい「ピルスナー」を何種類も堪能する。個人的なお気に入りは、緑色の瓶におじさんのラベルが印象的な「ラガービア・ヘル」。ミュンヘンの老舗醸造所が手塩にかけて完成させたこのビールは、甘みがあるフルーティーな味わいで、とても飲みやすい。これらドイツでも人気の銘柄はもちろんのこと、かなりの種類のビールを味わった。
 こうして、横浜の地で誕生したのが「ベイスターズ・エール」である。
 関内のクラフトビールブランド、横浜ベイブルーイングと共同開発し、色やアルコール度数、ホップの香りなど、選手や監督、コーチなどの意見も参考にしながら、こだわり抜いた末に完成したオリジナルビール。そのほぼ同時に「ベイスターズ・ラガー」も送り出した。こちらは、茨城の「常陸野ネクストビール」で有名な木内酒造に協力してもらい、開発することができた。

>> to be continued


photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 世界的スポーツイベントから学ぶ本場の味
#02 ミュンヘンの老舗醸造所がつくるお気に入りのビール
#03 心突き動かされたベルリンのライフスタイルショップ
#04 スタンドの余白に圧倒的存在感を放つビッグイヤー
#05 ベルリンの街に根付く文化とスポーツの本質

 

Data

使用チーム ヘルタ・ベルリナー・シュポルト・クラップ・ベルリン
所在地 ドイツ連邦共和国ベルリン
収容人数 74.475人
竣工 1936年(2004年改修)
工費 4.200万マルク(改修費2億4200万€)

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