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#02
メジャーリーグの
スプリング・キャンプ地を
思わせる整備

 「これはすごい……圧巻……」
 まず、頭に浮かんだのは、純粋な驚きだった。大都市の郊外に構えるLGツインズの二軍施設「LGチャンピオンズパーク」は、日本プロ野球の二軍のそれとは比べ物にならないほど設備が充実していた。
 メインの球場は天然芝が映え、スタンドもなだらかな傾斜となっている、アメリカの3Aの本拠地と思わんばかりの佇まい。聞けば、マウンドやアンツーカーの土は、サンディエゴ・パドレスの本拠地、ペトコ・パークなどと同じものをアメリカから輸入しているという。佇まいのみならず、仕様までアメリカを再現しているわけだ。「我々はメジャーを完全なベンチマークにしていますから」とファーム施設の球団関係者が言っていたのを思い出す。日本ではないんだな……。
 球場はメインと合わせて2つ。室内練習場の広さは、実戦形式などちょっとした試合ならできるのではないか、と感じさせるほどの広さを誇り、ブルペンだってまるでメジャーリーグのスプリング・キャンプ地のように豪華に整備されている。
 野球の環境のみならず、選手の宿舎はホテルのような瀟洒な印象があり、多目的なリハビリセンターなど、その施設のクオリティは「世界レベル」を意識しているそうだ。
 韓国の財閥のひとつであるLGエレクトロニクスの資金力にも驚嘆させられるが、それ以上に私が感じたのは、「韓国はベンチマーク社会」が強烈に具現化されていたことだ。

>> to be continued

  photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 一軍同様に魅力あるボールパークをつくりたい
#02 メジャーリーグのスプリング・キャンプ地を思わせる整備
#03 ストレスなく野球に打ち込むための最適な場所
#04 いいものはいいと認め、余すことなく導入すること

Data

使用チーム LGツインズ(ファーム施設)
所在地 大韓民国京畿道利川市
収容人数 852人
竣工 2014年
工費 1,000億ウォン

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