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#02
歩みと風情を
想起させる
レンガ造りの薄暗い道

 選手の後を追うように、シャークスのホーム、キングス・パーク・スタジアムに向かう。
 1958年に誕生した古いスタジアム。私のなかでは、秩父宮ラグビー場とマイナーリーグのチカソー・ブリックタウン・ボールパークやオートゾーン・パークのような、シンプルだけど趣のあるスタジアムが融合したようなイメージを持った。
 ここには、歴史と情緒がある。
 選手ロッカーからグラウンドへと通じるレンガ造りの道は薄暗く、それがまたスタジアムの歩みと風情を想起させる。戦いの場へと向かう選手たちの闘争心をあえて抑制するような静けさが、漂っているようだ。
 道の先に光が見える。一歩、また一歩と前に進むと、フィールドを覆いつくさんばかりに切り立っているスタンドが眼前に広がる。

>> to be continued

 photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 日本にはないラグビーへの熱量と選手へのリスペクト
#02 歩みと風情を想起させるレンガ造りの薄暗い道
#03 地元の人々が我が家のように寛ぐスタジアム
#04 この自由さこそスポーツ本来のあり方なのかもしれない
 

Data

使用チーム スーパーラグビー・シャークス
所在地 南アフリカ共和国クワズール・ナタール州エテクウィニ都市圏(ダーバン)
収容人数 52,000人
竣工 1958年
工費

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