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#03
日本との差を感じた
プロ野球と
スタジアムの“関連性”

 蚕室野球場は、1988年のソウルオリンピックに合わせ、82年に造られた総合運動場内に構えられたスタジアムだ。
 野球場の他、メイン会場となったオリンピック主競技場や体育館などもある。オリンピックとは国を挙げての一大事業だ。日本が東京オリンピックで宣言している「レガシー」が今もしっかりと残されているところはさすがだが、こと「プロ野球とスタジアム」の関連性となると、韓国と日本にはまだ差があるのだと知った。
 日本のプロ野球の場合、ベイスターズがハマスタを一体経営化できたのと同様に、他でも幾つかの一体経営が進んできていて、主催試合でのスタジアムの収益は球団が得られる。だが、韓国の場合は蚕室野球場のように自治体の管理下にある公設球場を使用するのが一般的とされていた。球団は自治体からの委託運営という形でプロ野球の試合を開催するため、スタジアムの広告費やグッズ、飲食物の収益には限界があり、ひと昔前までは、そのことが「球団経営を圧迫している」とさえ囁かれていたという。
 現在は球団が増えたことなどもあり、そのような規制も緩和されたと聞くが、そういった事情が韓国のボールパーク化構想を遅らせているのだとしたら納得させられる。

>> to be continued

  photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 韓国プロ野球のトップリーグのスタジアムに触れたい
#02 韓国のスタジアムはボールパークとしてはまだ発展途上!?
#03 日本との差を感じたプロ野球とスタジアムの“関連性”
#04 おいしいものを食べビールを飲みながらの野球観戦には最適

Data

使用チーム LGツインズ、斗山ベアーズ
所在地 大韓民国ソウル特別市
収容人数 26,000人
竣工 1982年
工費 126億ウォン

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