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#02
韓国のスタジアムは
ボールパークとしては
まだ発展途上!?

 新設されたスタジアムとあって、ライオンズ・パークもまた、LGツインズや斗山ベアーズの二軍練習場同様、アメリカのエッセンスを用いていた。フィラデルフィア・フィリーズのシチズンズ・バンク・パークをモチーフとしているらしく、韓国の野球場としては初となるフィールドが八角形の、それこそアメリカにあるような形状となっている。
 とはいえ、私の見解は少し違う。最初にこのスタジアムを見てこう感じた。
「ドジャー・スタジアムのようだな」
 淡いブルーなどの色使いからもそう感じたのだが、内野にはテーブル席が多数設けてあり、ファウルゾーンには日本でいうところのエキサイトシートも用意されている。ライト後方に設置された大型ビジョンも印象的で、ボールパークとしての雰囲気も感じられる。
 だが、それだけだった。
 新しいスタジアムながら収容人員が2万4000人と、日本と比べて少ないのも一因としてあるのかもしれない。スタジアムとは、大勢の人がそこに集まり、愛着を抱き、何度でも来たくなるような場所である。そこに球団の熱も加わって、ボールパークへと昇華していくのだと思っている。
 つまり、ライオンズ・パークだけに限らず、韓国プロ野球のスタジアムは、ボールパークとしてはまだ発展途上であることも同時に理解した。
 そんなことをうっすらと感じたのは、ソウルにある蚕室野球場を訪れたときだった。

>> to be continued

photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 韓国プロ野球のトップリーグのスタジアムに触れたい
#02 韓国のスタジアムはボールパークとしてはまだ発展途上!?
#03 日本との差を感じたプロ野球とスタジアムの“関連性”
#04 おいしいものを食べビールを飲みながらの野球観戦には最適

Data

使用チーム サムソン・ライオンズ
所在地 大韓民国大邱広域市
収容人数 24,000人
竣工 2016年
工費 1,666億ウォン

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