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#01
腹の底から声を出し
選手たちの士気を
高めるオレンジ軍団
フィールドを囲むように屹立するスタンド。コロラドの象徴、ロッキー山脈を表現した起伏のある最上段までオレンジの軍団が占拠している。彼らはそれこそ、チームの名を冠したブロンコ(野生馬)のごとく、腹の底から声を出し、選手たちの士気を高める。
圧巻の光景が、そこにはあった。
クアーズ・フィールドからデンバーの中心部へ向かい、たどり着いたスタジアムはNFLのデンバー・ブロンコスの本拠地、スポーツオーソリティ・フィールド・アット・マイル・ハイ(2018年1月に「ブロンコス・スタジアム・アット・マイル・ハイ」に改称)だった。正面ゲートに佇むブロンコたちの像が印象的なこの地を訪れた2015年当時、横浜DeNAベイスターズの社長だった私は、野球のみならずできるだけ多くのスポーツに触れ、そのエキスを横浜スタジアムやチーム、選手に供給させたいと考えていた。初めてのNFL観戦だったが、それはやはり正解だった。
特筆すべきは、何と言ってもスタジアムの雰囲気である。
その日は、ブロンコスの開幕戦だった。
約7万6000人を収容できるスタンド全体がチームカラーのオレンジで統一されている。アウェーチームのファンもいたのだろうが、その存在を忘れるくらい圧倒的なホームアドバンテージ。コートサイドから相手のヘッドコーチがクォーターバックに送る指示もかき消されるくらいの大声援。アウェーチームに与えるプレッシャーは、ゲームが終わるまで途切れることはない。
photo:Jun Ikeda
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Data
使用チーム | デンバー・ブロンコス |
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所在地 | アメリカ合衆国コロラド州デンバー |
収容人数 | 76,125人 |
竣工 | 2001年 |
工費 | 3億6420万ドル |