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#01
ブルックリンで
どうしても
見ておきたかった場所

 ニューヨークのブルックリンに着くと、疲労困憊で思考が停止しそうだった。
 あれは2013年。
 横浜DeNAベイスターズの社長として、前年に活躍してくれたドミニカ出身の選手たちを現地で慰労し、その後、パナマ経由でキューバに入り、新外国人選手の獲得交渉に向かった。そこから、アメリカのフロリダ州オーランドに移動し、ウィンターミーティングに参加したわけだが、このときすでに体力的には相当きつかった。
 それでも、私はどうしてもブルックリンに行きたかった。NBAのブルックリン・ネッツなどがホームとするバークレイズ・センターを、どうしても見ておきたかったのだ。
 あらかじめ知人にチケットを確保してもらうようお願いしており、「この日だけなら」と連絡があった。その2日後にはオーランドで重要なミーティングが控えていたが、1日猶予を与えられただけでも幸運だと自分に言い聞かせる。一連の旅をさらに過酷にさせるわけだが、迷いはなかった。

to be continued

 photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 ブルックリンでどうしても見ておきたかった場所
#02 正面ゲートに突き出す巨大な建造物に度肝を抜かされた
#03 センターコートに設置された4面の巨大ビジョン
#04 ありきたりなデザインではダメな理由

Data

使用チーム ブルックリン・ネッツ(NBA)、ニューヨーク・アイランダース(NHL)
所在地 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン
収容人数 18,000人(バスケットボール)、14,500人(アイスホッケー)、19,000人(コンサート)
竣工 2012年
工費 10億ドル

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