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#04
鮮やかに
ライトアップされた
白を基調とした清潔感

 開幕戦の余韻に浸りながら、小型飛行機でサンパウロから日本戦が開催されるレシフェへと飛ぶ。
 移動時間は約3時間。「さて、レシフェからはどんな景色が見られるのだろう?」「どんな食べ物に出会えるか?」「コートジボワールの応援はどのくらいいるのか?」「スタジアムはどのくらい熱狂するのか? 果たして、日本は勝つかな?」……。
 本来なら退屈な移動なのかもしれないが、そのような気持ちもない。これも、旅の昂揚感なのだろう。
 レシフェのアレーナ・ペルナンブーコも、ワールドカップに合わせて13年に誕生したサッカースタジアムだ。
 白を基調とした外観は清潔感があり、日本戦が開催された夜の時間帯は鮮やかにライトアップされ、洗練さを醸し出している。
 しかし、セキュリティチェックが円滑に回らず、スタジアムの中に入るのに少々手間取ってしまう。本音を言えば、数時間前からスタジアム周辺にいたが、入口への誘導も不透明でたらいまわし。そして、セキュリティチェックは長蛇の列。「試合に間に合うのか?」とやきもきさせられ、正直、イライラもした。ただこれも、旅のちょっとしたトラブルと思い受け入れたわけだが、ともあれ、赤の座席が印象深く、対比こそできないが外観とのコントラストもそれなりに合っている。
 そして、このスタジアムには、日本で言うところの「VIPルーム」や「ビジネスラウンジ」にあたるホスピタリティルーム、ホスピタリティラウンジが設けられていた。ここは比較的、オープンな空間となっており、デザインはシンプルながら落ち着いたスペースとなっている。ここでファンは、カイピリーニャやビールを飲みながら気持ちを昂らせ、仲間と楽しく昂揚感を共有した時間を過ごし、試合に備えるわけだ。

 >> to be continued

 photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 海外にスポーツを観に行くという「旅」がある
#02 ワールドカップの試合観戦を前に堪能したもの
#03 興奮のるつぼと化した〝カナリア〟がスタジアムを彩る
#04 鮮やかにライトアップされた白を基調とした清潔感
#05 ワールドカップを観戦しながら想いを傾けたこと
#06 サッカーの熱狂と興奮とともに記憶に残る幸福感
 

Data

使用チーム クルーベ・ナウチコ・カピバリベ
所在地 ブラジル連邦共和国ペルナンブーコ州レシフェ
収容人数 46,154人
竣工 2013年
工費

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