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#03
個性を発揮する
「The Big A」という
シンボル

 岩山のモニュメントは圧倒的な存在感があったが、2年前から気になっていた巨大文字。そう、あのエンブレムも、やはり個性を発揮していた。
 左中間スタンド上段。企業広告でデザインされた看板の上に、ボールパークを見渡すように設置された巨大な「A」の文字。それは、「The Big A」と呼ばれるエンゼルス・スタジアムのシンボルでもあったのだ。
 この翌年の15年、横浜DeNAベイスターズの主催試合日に、朝は市民に無料でキャッチボールをしてもらうために横浜スタジアムを解放した。そして、横浜スタジアムのバックスクリーン下にある、通常は搬入口として使われていたゲートも「DREAM GATE」と命名。試合前の練習中にそこを開き、外からでも無料で選手たちを見学できるようにした。スタジアムの「オープン化」を図ることで、もっと市民やファンとの「心の距離を縮めたい」と思ったからだ。その「DREAM GATE」に掲げた、ベイスターズを象徴する大きな星こそ、エンゼルス・スタジアムの「Big A」がモチーフなのである。
 このボールパークを訪れて、もうひとつ「ハマスタ(横浜スタジアム)にも取り入れたい」と思ったのがワインだった。
 エンゼルス・スタジアムのVIPルームには、オリジナルラベルの「エンゼルスワイン」が堪能できる。まさしく、この場所ならではのスペシャリティだ。エンブレムをあしらったラベルをベイスターズ仕様にすれば、ファンも喜んでくれるのではないか――ワインを飲みながら、そんな構想を巡らせたが実現はしなかった。

>> to be continued


photo:Jun Ikeda

This week’s articles
#01 ハイウェイから通りすがりに眺めた赤い「A」
#02 ディズニーランドを想起させる圧倒的なスケール
#03 個性を発揮する「The Big A」というシンボル
#04 野球ファン以外にも立ち寄ってほしいスタジアム
 

Data

使用チーム ロサンゼルス・エンゼルス
所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイム
収容人数 45050人
竣工 1966年
工費 2400万ドル(改修:1億1800万ドル)

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